ヒデ

ハッスル&フロウのヒデのネタバレレビュー・内容・結末

ハッスル&フロウ(2005年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「これまでは売春(トリック)で稼いできた。でもわかるだろ?ずっとこのままではダメなんだ」

アメリカの汚い街に住むポン引きが、現状を変えるためにラップを始める話。

プロデューサーの黒人や痩せた白人のトラッカーなど、徐々に仲間が増えていくのがいい。妊婦のシャグが歌で意外な才能を見せたシーンは気持ちよかった。

ただスキニーに渡したデモテープが便器に捨てられてるシーンはめちゃくちゃ辛い。テープ部分が引き抜かれてるのが余計に。そのシーンまでかなり時間をかけてDジェイたちの努力を見せられるので、相当心に来る。最後スキニーを殺しかけてしまい、刑務所に入ってどうなるかと思ったけど、娼婦のノアが頑張ってオンエアまで辿り着いてくれてたのがアツかった。

全編通してとにかく音楽が良くて、アカデミー賞の歌曲賞をとったのも納得。歌詞に魂こもりすぎ。

主人公のDジェイはぶっちゃけなかなかのクズで、子供と妻にガチギレして家から叩き出したり、マイク欲しさにノアに体売らせたりしたのはどうかと思ったけど、ノアを"投資家"として尊重し、彼女への信頼をしっかり伝えた後半は良かったなと。

「デモテープを大物ラッパーに渡して夢を叶える」という目標がそんなに甘くないことをしっかりと伝えつつ、しっかりカタルシスがあるラストになっているのが素晴らしかった。読者にとって一番良い形で終わった作品なのでは。

全然関係ないけど、ハッスルって「裏稼業」って意味もあるのね。


以下、セリフメモ。


(自分のハンドルを握らせて)「この意味がわかるか?"二人で仕切る"。肉体関係(トリック)はなくても二人は一緒だ」

「トリックと叫べ!そうだ!!」

「あんたと過ごした5年間人生無駄にしたわ。(離婚して子連れで)これからどこへ行けっていうの!」
「地獄へ落ちやがれ」

「お前の嫁は咥えたがってる」
「ピンプ(ポン引き)のくせに嫁を侮辱するな!」

「♪ピンプ稼業も楽じゃない!ろくに家賃も稼げない!車のガス代もかかる!でもビッチの船になる!」

「なぁ。高級マイクが欲しい。あいつと仲良くやって手に入れるんだ」

「もう二度とやらない。私はATMじゃない!命令すれば咥えると思わないで。ファック・ユー!」

「私が車でどんなことをするか知ってる!?皆何かを得るために働いてる。人生の重要に何かを得るために。私だって…。でもこれじゃない!」

「"新しい靴"を欲しがるお前とは…二人で仕切れない」

「このトラックは俺の魂そのものだ。歌の前に、俺の"投資家"から祝福のキスをもらおう」

「スキニー、お前変わったな。変わっちまったよ。見損なったぜ」

「俺にどうしろと?今どきカセットデッキなんて持ってないぞ」
「俺の言葉を広めるチャンスをくれ」

「いいか。夢は誰でも持てる」

「なぜカセットを捨てた!?理由を教えてくれ!」
「…俺のものをしゃぶりな」

「自首してるんだ!手荒く扱うな!」

「ノア、頼んだぞ。俺は刑務所でオンエアを待つ。オンエアを待ってる。お前が"仕切れ"」
「私が"仕切る"!!」

「ノアはメンフィスのラジオ局を片っ端から回ったらしい。大した才能だよ」

「Dジェイ、スキニーを潰したらしいな」

「僕が作ったビートだ!!」

「俺たち(刑務官)もラップをやってるんだ。機会があったらデモテープを聴いてくれ」
(ニカっと笑って)「夢は誰でも持てる」
ヒデ

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