Tatsu

若草物語のTatsuのレビュー・感想・評価

若草物語(1933年製作の映画)
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再見。改めて見直すと、やはりガーウィグ版はあからさまに特殊な構成だったことがわかる。確かに現代で、若草物語を語り直すのであればあれが正解だ。一方で、キューカー版は、後の2作品と同様に(つまり原作通りに)、一方通行に時間が流れていくが、ヘップバーンの生き生きとしたジョーによって、瞬間瞬間が特別なものになっている。ガーウィグ版のエモーションは構成によって引き出されたものだが、キューカー版は、一方通行だからこそ、その時々の画面に収められたものによって引き出される。ゆえに映画としては、やはり今作が最も特別なのではと思う。いずれにしても多幸感と切ない時間の流れに泣き崩れる。
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