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若草物語のBaadのレビュー・感想・評価

若草物語(1933年製作の映画)
3.2
『若草物語』の初のトーキー映画化。
ラストシーンはあっさりとしていて暖かく、しゃれていますが、ジョーの成長を中心に、小説の中の名場面をとびとびにつなげてみせたような作りなので、元の小説を読んでいないと今ひとつ話が分かりにくいかもしれません。

初期のトーキーなので、サイレント映画的な躍動感のある映像表現もちらほら見られ、運動神経のよいジョー役のキャサリン・ヘプバーンの動きが際立って美しく見えます。ローリーと一緒に屋外を駆け回るシーンは本当に生き生きとしていて素晴しく、その他にもクリスマスの室内劇など演技の美しさが冴える見せ場は数えきれません。おっちょこちょいな動作の見せ方もピカイチで、キャサリン・ヘプバーンのジョーを見てしまうと他の映画化作品でのジョー役はミスキャストに見えるかもしれません。

ただ、それ以外の配役は割と平凡で、エミリー役のジョーン・ベネットとベア先生役の役者さん以外はとくに印象に残りません。

全体的に男性の目から見て4人姉妹の振る舞いがかわいらしく見えるような演出なので、少女小説的なディーテイルや分かり易いストーリーテリングをお望みの方は1949年のジューン・アリスン主演のものの方をお勧めします。

(駆けるキャサリン・ヘプバーン 2009/4/5記)
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