おおなり

フレンジーのおおなりのレビュー・感想・評価

フレンジー(1972年製作の映画)
4.6
絞殺シーン、犯人の狂気的な表情と締められる首のアップのモンタージュ、『サイコ』の風呂場殺人の繰り返し。短時間に犯人、主人公、被害者の秘書の3人による映画的すれ違いによって無実の人間を容疑者に仕立て上げるヒッチコック的演出は『第三逃亡者』『逃走迷路』『見知らぬ乗客』『間違えられた男』などから引き継がれるヒッチコック的な物語は健在。


(この映画の重要な登場人物として)2回目の殺人が行われるシーン、犯人と女性が部屋に入ってゆき、そのままゆったりとした後方トラベリングでアパートの階段を降り、アパートを出て、正面から映す。観客に想像の余地を与える見事な演出。

ヒッチコック・ベスト10に入るほどの傑作。