ヒッチコック監督がほぼ20年ぶりにイギリスにもどってきて撮り上げた作品。
同監督初となるR指定作品で、ホラーとサスペンスとエロスが交錯する刺激的な一篇となっています。
冒頭のテムズ川の空撮シーンやディックの同僚が殺害されるシーンなどのヒッチコックらしい長回しがお見事。えっ、このシーンをワンカットで撮っちゃうのって感じのシーンが満載です。
それから殺しのシーンが他のヒッチコック作品に比べて直接的でショッキングなのが特徴かな。
冒頭のテムズ川のシーンで全裸の女性の死体が浮いて流れてくるシーンなど。
それから、ほかのヒッチコック作品に比べ、エロ度も高め。
女性がストッキングを履く場面なんかが色っぽいんですよ。
ブライアン・デ・パルマ監督は絶対影響されてますね。
そんな物語でもヒッチコックはユーモアを忘れない。
事件を捜査する警部の奥さんの妙でへんちくりんな料理を警部が口に含みながら、奥さんが見えなくなると吐き出しているシーンなど笑える。
舞台がロンドンだからか、街並みや風景が落ち着いたトーンになっているのも、雰囲気が出ますね。
ジャック・ザ・リッパ―の街ですからね。
ラストも余計な説明がなく、バシッと切って終わらせるあたり心地いいです。
ヒッチコックのフィルモグラフィーの中では少々異色作ですが面白いです。おススメです。
毎回自作のワンシーンに登場するヒッチコック監督。
本作は比較的判りやすいシーンに登場。