ポルりん

怪談雪女郎のポルりんのレビュー・感想・評価

怪談雪女郎(1968年製作の映画)
3.5
■ 概要

「掏摸(すり)」の八尋不二がシナリオを執筆し、「眠狂四郎女地獄」の田中徳三が監督した怪談もの。
撮影は「座頭市血煙り街道」の牧浦地志。


■ あらすじ

『与作が雪女にあったのはある山小屋だった。
国分寺の命で観音菩薩像を彫ることになった老仏師茂朝とともに、良質の木を求めて山林を歩き回っていたのだ。
雪女は吹雪を避けて二人が泊った小屋に現われて、茂朝を凍死させた。
だが、与作は雪女のことを他言しない、という約束で命を助けられたのだった。』


■ 感想


◎演出


まだCGなどがない時に撮影された作品だが、セットの様式美や、凝ったバックに大型扇風機で吹雪などを起こし、CGでは表現不可能な素晴らしい幻想的な雪国を作り出している。

耽美的雰囲気も素晴らしく再現できており、雪女の凍てつく雰囲気も上手く表現できている。

ただ、雪女は宙に浮いたような水平移動ではなく、普通に歩いて移動の方が、リアリティがあって良かったかな・・・。



◎キャスト


・ゆき(雪女) [演:藤村志保]


本作にて最もベストなキャスティング。

色白で長身の幸薄そうな美人で、どこかしら冷たい雰囲気を出す女性なので、かなり雪女のイメージに合っている。

それに加え、恐怖シーンではしっかりと怖がらせてくれる。


金色のコンタクトレンズを入れたくらいしか、凝った特殊メイクなどをしていないのに、雪女特有の凍てつくような不気味さを上手く表現している。

彼女が睨むと、凍てつくような雰囲気がこちらにも伝わってきて、いい感じに背筋がゾクゾクしてくる。

序盤の茂朝を凍死させるシーンなんて、観ているこっちも寒さが伝わるようである。



・与作 [演:石濱朗]


物語は絶えず、美しい顔が進行しており、それに伴って雪女や映像も幻想的な美しさ(+怖さ)を上手く表現している。

だが、雪女が恋焦がれる与作は、イケメンではあるものの雪女が恋狂うほどのイケメンではない。

これにより、「雪女が蠱惑的な美貌を持つ与作だけは生かしたこと」や「わざわざ下界にまで足を運んで与作と結婚した」といった物語の根幹とも言える部分に説得力が生まれず、終始違和感を覚える事となる。

もう少し、雪女が恋狂うほどの美貌の持ち主をキャスティングしていたら、物語に説得力が生まれていたと思うのだが・・・。


ついでに、「慈悲の心を持った仏像」を掘ることが与作の最大の目的であるのだが、その与作が掘った仏像は「慈悲の心」どころか神々しさすら全く感じられず、その点でも説得力がない。



◎ シナリオ


元来の雪女の伝説に、悪党の地頭を加えて物語は進行していく。

大抵、オリジナルにいないキャラクターを加えると、オリジナルの良さが崩れ、物語自体が崩れるパターンが多い。

しかし本作の場合、多少はかけ回したりはするものの、本来の物語を崩すことはなく、むしろ雪女の恐ろしさに加え、雪女が与作への純愛を表現するといった必要不可欠なキャラクターになっている。


ただ、個人的には、与作と雪女の恋よりも、息子と雪女の親子愛に焦点を当ててほしかったかな。

約束を破った与作が雪女に殺されそうになるシーンがあるのだが、殺害を留まったきっかけは息子の存在だし・・・。

ラストの雪女が去るシーンも、悲しんでるのは息子と雪女くらいで、雪女に殺されそうになった与作は、仏像の事を考えてるし・・・。



どうせだったら、


悪党の地頭に雪女が強姦されそうになる。



ブチ切れた雪女が悪党を懲らしめる。



ではなく、



与作の仏像の制作を中断させる為に、息子をさらい脅す。



ブチ切れた雪女が悪党を懲らしめる。


の方が、より一層の親子愛が強調され、ラストの雪女が去るシーンがより感動的になったと思うのだが・・・。



そういえば、与作が雪女を抱きしめた際に、


与作「お前は冷たいな、まるで氷のようだ。(誉め言葉)」


と言っていたが、膣の中も冷たいのだろうか・・・。

子供を一人しか作らなかったようだが、もしかして先の雪女とのSEXにて、与作の肉棒が機能不全になってしまったのだろうか・・・。


そもそも、違う種族がSEXをして子供が生まれるのだろうか??

種間交配を行う場合、非常に近縁かつ染色体の核型が同じでない限り難しいと思うのだが・・・。

人間っぽいし、やっぱりDNAがかなり酷似してるのかな??


DNAが酷似してるって事は、雪女も人間と同じく、きばって尻からうんこするのかな??

仮にうんこをするとして、やっぱり雪女だから冷たいうんこをするのかな??

それとも下痢なのかな??




■ 総括


全体的には良いんだけど、やっぱり与作のキャスティングと親子愛かな・・・。

そこさえ良ければ、かなりの良作になっていたと思うのだが・・・。
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