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怪談雪女郎のトシオ88のレビュー・感想・評価

怪談雪女郎(1968年製作の映画)
3.8
夏はやっぱり怪談三昧!😆
大映の数ある怪談映画でも「牡丹灯籠」と同じく名作の評価高い「怪談雪女郎」。冒頭、吹雪舞う雪原にモヤモヤと出現する雪女。吹雪を避けて小屋に避難していた老仏師とその弟子与作は、雪女に見つかり、師匠はあっという間にカチンカチンに🧊。
しかし与作は雪女からするとイケメンだったらしく、見たことを言わない約束だけで放免されるのだった。
やがて年月を経て、とある出来事を契機にゆき、という名の美しい嫁さんをもらう与作。ゆきを演じるのは、勿論兵藤ゆきではなく、大映看板女優の藤村志保🥰。しかしその楚々とした雰囲気と美貌に目をつけたのが、地元の地頭(鎌倉時代の頃の荘園の武装管理人みたいな立場の役人)。地頭を演じる須賀不二男。スガシカオみたいな名前だが、全然違う悪辣外道この上ない役人を、やはり安定好演😨。何かと機会を見つけて、地頭はゆきを手篭めにしようとする😠。やがて、名高い寺に納める仏像を著名な仏師と競うことになる与作…。
ゆきが母親となり、我が子に歌を聞かせる雑木林のシーン。美しい着物姿の藤村志保が舞いながら可憐に歌う場面はとても印象的で心に残る。

やがて…クライマックスは、悪辣な地頭一味に対して、遂にゆきが雪女のパワーを全開にして襲いかかる🙈❄️。凄まじく恐ろしい形相のゆきが、全ての男を凍らせていくシーンは金色の双眸の怖さと相まって、子供だったらトラウマになる恐ろしさ。
しかし、その後…ゆきと与作の別れの時が訪れるのだった🥲。雪女の物語をきめ細かい演出で描く本作。的確な時代考証、大映の見事なセットと衣装、そして重厚な伊福部昭の音楽の中、藤村志保の魅力が堪能できる本作は、怪談映画としての怖さと哀しさも味わえる名作🎬⛄️。
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