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マン・ハントのkojikojiのレビュー・感想・評価

マン・ハント(1941年製作の映画)
3.4
 フリッツ・ラングは1933年にベルリンを脱出してアメリカ🇺🇸に渡っている。
この映画はアメリカに渡ってからの、1941年のアメリカ🇺🇸映画。
従来のアメリカ映画にないナチスのリアルなイメージを米国の大衆に与え、以後のプロパガンダ映画のあり方に大きな影響を与えたと言われている。

マンハントとは、警察等による組織だった人物の追跡捜査の意味だ。

ストーリーは奇想天外だが、私にはあまりに現実離れしていて、納得感がなかった。それもあって、ハラハラドキドキ感もなく、フリッツ・ラング作品では、イマイチの作品に思える。

#1411 2023年 445本目
1941年アメリカ🇺🇸映画

監督:フリッツ・ラング
脚本:ダドリー・ニコルズ、
ラマー・トロッティ
製作
ケネス・マクゴーワン
ダリル・F・ザナック

 時代は第二次世界大戦前。
 オープニング、イギリスのソーンダイク大尉(ウォルター・ピジョン)がヒトラーに銃口を向けるところから始まる。ナチスのポーランド侵攻前とは言え、この時期に簡単にヒトラーに銃口を向けられる距離に、イギリス大尉が近づけるはずがない。出だしからこれだ。

 それを見回りのドイツ🇩🇪兵が見つけて、彼を捕える。
彼は世界的狩の名手で知れ渡っていた。
この行動もゲームであって暗殺をしょうとしたのではないと主張するが、彼をとり調べるゲシュタポの担当官キーヴ=スミス(ジョージ・サンダース)はそれを信用しない。
当たり前だろう。銃弾が入っているのだから。
それをゲームと主張する大尉のノー天気ぶりにあきれる。

 イギリス政府からの命令でヒトラーを狙ったという供述書にサインするよう迫るが、大尉は頑として聞き入れない。
 そこで担当官のスミスは彼が自殺にしたように仕向けるため、崖のある山腹まで行って、大尉を突き落とす。
ところが、どうしたわけか、あまり傷も負わず彼は生きている。ここも非常に不自然だ。

命からがら、なんとかロンドンまで逃げ帰った彼だが、ゲシュタボはロンドンまで追いかけてくる。
 彼にサインをさせることがそんなに重要なのだろうか?確かにイギリス🇬🇧に宣戦布告する口実にすることはできるかもしれないが、その事実はあったのだから、彼にサインなどなくても英国がヒトラーを狙わせたと主張すればいいような気がする。
当時のナチの侵攻理由なんかなんでもありの世界なのだから。

 最悪なのはラストの穴。
昔、沢蟹やウナギを捕まえていた頃のことが蘇った。滑稽としか言いようがない。🤣
これは観てのお楽しみ。

 この逃避行で、彼を助けるヒロイン役はこの後「飾窓の女」『Scarlet Street』「扉の影の秘密」のラング作品でヒロインを務めることになるジョーン・ベネットだ。
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