Supernova

マン・ハントのSupernovaのレビュー・感想・評価

マン・ハント(1941年製作の映画)
3.2
今でいうジェイソン・ボーン的な要素を主軸にメロドラマを足した感じ。

ソーンダイク大尉の言葉はフリッツ・ラング本人の想いそのものだろうね。ナチスに対する怒りと反抗心増し増し。背景知識がないから他のレビューを読んで学んだけど、ラングがヒトラーの映画政策から逃れてアメリカで作った作品らしいから、国外逃亡して言い放題。
北朝鮮出身者で是非こういう映画作って欲しいな。もっとも当時だからこれだけ言いまくれたのかも知れないし、今であればすぐに特定されて殺されてしまう可能性は大いにあるから諸刃の剣だね。でもそれを覚悟の上でやってくれる人が出たらきっと世界中から賞賛されるだろうな。

音楽で感情を煽らないせいか、盛り上がるべき部分でのドラマティックさには欠ける。その他の日常部分では普通に劇伴が流れてるのになんでよりによって盛り上げるべき部分で流さないのかはよく分からなかった。鑑賞者も息を潜めて同じ緊張感を味わって欲しいという意図なのかも知れないけど、にしては全く緊張感がないからそもそも感情が揺さぶられない。

全体的に状況の割に雰囲気がゆるゆる。常に主人公に都合が良くて、リアリティにも欠ける。特にあんな最悪な初対面を迎えたのにヒロインが主人公にやけに協力的でかつ突然泣き出したりと情緒不安定で違和感しかなかった。要は序盤は良かったのにヒロイン出てきてからがただのメロドラマと化していて、うーん...
アメリカの客層を考慮してあえてこういう内容に走ったのかな?とか勘繰ってしまう。女性を人質に取る展開とかは定番かも知れないけど、あまりに本筋とメロドラマ部分が交錯しなさすぎて別々のものとしてしか見れないのが悪い気がする。

こう書いてると欠点しかなさそうに見えるけど、つまらなくはない。映像はめっちゃ良い。

ヒロインの女性可愛かった。

せっかくの機会だし今気力あるから『メトロポリス』と『ドクトル・マブゼ』見直すか...
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