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女体
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『女体』に投稿された感想・評価

埴輪の時代から戦後、高度成長期までレイヤーで重なる人と街。形を変えながら女が物として扱われてきた歴史を主人公が自由意志で破壊する。牛を殺す場面(本物)は戦場の連帯を追体験させる擬似殺人であり、半泣きの女優達はリアルな迫力があった。全裸で吊るされた団令子の涙が胸元に落ちるカットが印象的。@シネマヴェーラ渋谷
原作が同じ鈴木清順『肉体の門』と同じ年に公開。

現在パートも回想シーンも汗と暑さ。そして雨。牛の屠殺シーンは、引っ張る仕草がマヤの吊し上げ、首から垂れ流れる液体が終盤の白い嘔吐と赤い流血に繋がるような。

一時停止での回想へのつなぎが印象に残る性交シーン、二階から車を見下ろす構図、電車に乗り込む早歩きの人々の様子を映すショットと、上からの撮影が多い。その中で、戦後すぐの回想パートでは横移動で四人の女と一人の男を映す動きが印象強い。というかカッコいい。撮影者の運動が観る者の感覚にも響くかのよう。張りのある混乱期の生活に対して、平穏な現在が虚しくて仕方ないという心理的対比が、画面の上でも躍動していて良い。

最後の三方向からのアップの強さは一体なにからくるんだろう。再会する時に手から先に映るのが巧い気がする。武満徹の音楽は、前半の記録映像(原爆、玉音放送、東京裁判、マッカーサーなど)に乗るタンゴ風の曲が一番記憶に残ってる。
勿論全然同じではないが⋅どこか通じる何かを潜り、共感や痛み⋅それも感傷と云うより生理的なものが増してきて、以前観た時以上に、この作家の若き情熱⋅才能の全てが注ぎ込まれ、東宝女優陣でもモンロー的なあどけなさと黒い輪郭の双方を持合せ、多く異常に眉を太くして自らの魅力を押し隠そうとでもする反逆アイドル的に無意識になったりする団玲子の全て~過去⋅未来迄~が晒されたような凄み⋅行き過ぎを、感じる。東宝と云うと平明で健康的イメージだが、昭和40年前後の喜八らと並び、大映⋅日活⋅東映の暗い影と変わりない。
何回かある『肉体の門』の映画化の中でも突出していて、戦後すぐの廃墟も18年後の住居でも、照明を絞り限定した深みと荒廃感、雨や体液や川ら水分⋅液体が包み込み、極めて機能的でスピードせっつく、前後に知らず内面へ向かい希求⋅左右追い回り浅い半円繰返しフィットのカメラ移動の密度と忙しなさ⋅息の長さは、過去や現在に至る映画史の中でも突出している。その中で牛1頭のリアルな解体~分断⋅液体まみれ、裸体の捉えや触れ滑りも平気な⋅激しい身体の求め重ね合いや掟破りへのリンチ、死や老いや肉体殺傷と内的外的に貼り付いたラスト、らは見せ物として浮き上がらず、鼓動⋅動悸のままに滑り込み⋅染み拡がる。武満の音楽も正樹や篠田の時以上に響いてくる。ニューズスチルの向き⋅サイズ⋅ポジネガから動かしてくる才気溢るるモンタージュ、STOP化やDISで鋭く皮肉にも切り替えられる現在と過去の一体へ向かう交錯。
「戦争では、生きる為に何でもして、何でも食った。(孤児らとして女らだけで法を潜り、生き抜いてるお前らでも、触れられる世界ではない)」「あの時も、今も、身体を売る事での保証を得た、生命の繋ぎや、安定の生活。そこに愛などない。金を取らなかった関係なら、掟により、リンチにすらしていた、あの頃は」「違う。売り買いの交換ではない。今の家庭⋅家族は、私の方から強く欲し、やっと念願を得た。それ程安定を求めた。夫に不満はない。しかし、違う何かが。夫婦はかくあるものなのか」「闇市で得る物を潔しとせず、餓死した誇りに生きた者がいたとの事。笑ってしまう。今、すがる何かを欠いてるを思うも、あれから18年生き抜き足場は固めてきた」「あの時、金を介さず、しんちゃんを欲した、愛した。そして初めての悦びを感じ、女である事の意味を初めて知った」「あの時のマヤはリンチに抗わず、美しかった」「いずれ死ぬ運命。早いか遅いかだけの違い、疲れた。これ以上裏切りにもあいたくない」「夫に不満なくも、愛した事はなかった。貴方との再会は怖く避けて来た。愛を感じる·今も。私と生きて」「あの時も、今も、(社会の中にあることからの、とはまるで違う、生まれ変わる流れの予感を得て)裏切り続ける·繰返しか」
語られてる内容は、充分に煮詰められたものではなく、世代的な、戦禍とその後の荒廃を生き抜いた汚れてるもエネルギーの思い起こしと、経済成長期に入ろうとする何かボケてくることの実感、を大胆に率直に、(商業)映画をはみ出して描きぬけてる。ごく限られた僥倖に恵まれ、また、何かの逸脱に対する罰を予感させる、境地。昔観たあまりに素晴らしい『めぐりあい』と本作は隣り合った時系列の作同士であり、その間は数年空いてると、遅まきながら最近知った(初主演の酒井和歌子が、脅えるほど威圧を受け続けたことも、今にして分かる)。観てて、以前観た時の感覚が記憶喪失から甦ったように、戻ってきたが、永く(まではいかないが)忘れてしまいたいと無意識に埋めて置き続けてたのかも知れない。国際レベルで、レネの長編処女作にも比肩し得る、あけすけの表現と生の痛みを表明した作である。
【4/17···前のノートを読み返す事はないが、たまたま目にする機会があった。全く同じ点数、同じ感銘になってた(若かった分、分析や記憶は細かいが)。やはり、感動しても永く引きずりたくない種類のものだったのだろう。同じ強い印象を受けた度合いを憶えていなかった。また、本作と『めぐりあい』の間には2作ある、というのが正解。隣り合わせてはいない。勘違い。】

『女体』に似ている作品

肉体の門

製作国:

上映時間:

90分

ジャンル:

配給:

  • 日活
3.5

あらすじ

米軍占領下にある終戦後の東京。焼け跡ビルを根城にするおせんを筆頭とした街娼の集団は、闇市を闊歩していた。唯一の肉親だった兄を病で亡くし、外国兵に強姦された少女マヤはおせんたちの仲間になるこ…

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