みーちゃん

友だちのうちはどこ?のみーちゃんのレビュー・感想・評価

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)
4.2
児童労働や虐待について、ここでは触れないが、とても複雑な気持ちになった。それは、子ども達に全面的に共感すると同時に、大人の言動も理解できるからだと思う。

だから、本作を可愛い映画だなんて思わない。誰の立場で見ても、そう思えない。

あの日、アハマッド君が言いつけを守らず、暗くなっても帰宅しなかったことは、あの一家にとって大事件だったはず。でも彼の様子を見ると、少なくとも父や祖父にボコボコにされることはなかった。なんだかんだ母も食事を与えてくれた。

だから、いざという時に理解してくれるのは、或いは、理解できなくても居場所があるのが家庭なのかもしれない。それは、この学校のような社会において、大きな心の支えとなり、生きる上で最低限の担保にはなるかもしれない。

でも本質的な救いにはならないと思う。子ども達にとって(大人達にも)必要なのは、"いざという時"だけでなく、日々の小さな承認の積み重ねなのだ。

それを、こんな形で表現したことに、大きな意義を感じた。