友だちのうちはどこ？のasatoのネタバレレビュー・内容・結末

素朴な話をイランの田舎で撮影している。
シンプルに子どもが走っている姿や田舎の風景なのに、なぜかとても心に残る不思議な映像。

ストーリーとしては、友達のノートを返しに行く「それだけの話」。しかし作中で遭遇する不条理は人生そのものだと感じた。
子どもからみた大人は「絶対的な規則」であり「社会」である。約40年前のイランで、かつ地方の村という極めて保守的な環境下で登場する大人たちは、自分の上司だったら絶望するほどの古き良き価値観で生きていた。そしてそれは子に、孫に代々受け継がれていく。
社会に従順な少年は優しさ故に、反旗を翻した。精一杯の努力の末、敗北したかに見えたが必然的に優しさが彼と友達を救うこととなった。