コーカサス

電人ザボーガーのコーカサスのレビュー・感想・評価

電人ザボーガー(2010年製作の映画)
3.6
「ザボーガー!あの赤いやつを狙え!」

近頃やたらとタイトルに“シン”を付け加えたがる怪獣やヒーローが復活しているが、そのどちらよりも “新 (真)”と“愛” に満ち溢れ、本作こそが “シン・ザボーガー” と呼ぶに相応しい、素晴らしいリブートだった。

筆者も大好き「電人ザボーガー」とは、1974年に放送されたピー・プロダクション制作の特撮テレビ番組だ。
当時ザボーガーがバイクにチェンジするシーンは、お世辞にもカッコいいとは云えなかったが、今思えばザボーガーなくして仮面ライダーアクセルは誕生しなかったと云っても過言ではないだろうし、その変形シーンも現代ならではのCG処理で滑らか且つスピード感溢れるカッコいいシーンに仕上がっている。

そんな現代に甦ったザボーガーの造形は勿論、ミスボーグほか敵キャラも良い。
そして何より筆者の胸をときめかせたのは、テノール歌手である高野二郎が唄う主題歌、その歌声だ。
まさにオリジナルの子門真人を彷彿とさせ、それでいて決して単なるマネではない高野版の主題歌は実に素晴らしく、迷わずサントラCD付きのブルーレイを購入したのは云うまでもない。

そしてラストのサプライズ。
これまた筆者の愛する「帰ってきたウルトラマン」の新マンのスーツアクターであり、本作テレビシリーズでは中野刑事を演じたきくち英一が主人公・大門豊の “老年期” 役としてゲスト出演しているとは涙モノである。

「ザボーガー!例のやつを使え!」

そう、彼はタイトルに“シン”など付けなくても、いつだってチェンジする。
何故なら、お前は鋼鉄の機械でも、赤い血潮が流れているのだから。

5 2023