チョマサ

マニアックのチョマサのレビュー・感想・評価

マニアック(1980年製作の映画)
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『リアル・ハント』を見ていて思い出した映画。
物語が二の次という点で、この映画を思い出したのかも。

イライジャ・ウッド主演のリメイク版でこの映画を知った。
トム・サヴィーニとジョー・スピネルが関わってるが、彼らの仕事や功績を全然知らなかったし、ゴア描写が好きでもなかったので、皮剥ぎや血みどろ場面は、すごくよく出来てる、怖いと思ったけど、正直見たくないとものを見てしまったと後悔した。

話は見ていて眠くなった。淡々と描写していくのが、薄気味悪さやフランクの生活の異常さを際立たせる。けど、フランクの殺害場面は大体筋が同じで、それが繰り返されるので見ていて飽きる。怖いけれども。

フランクの口からいろいろ、彼が後悔してきたこととかトラウマが語られる場面は、あー俺も一人の時はこういうことベラベラ一人ごちるなーと思ったけども、見ていて観客に説明してるようにもとれるので、陳腐にも思えた。

最後は怖い。あれがフランクの妄想だとは思えない。それまでの流れからしてフランクが反省してるとは思えないし、かといって、亡者の復讐としたらそれまでの、フランクをカメラで取材してるような、密着した語りかたからぶっ飛んでるので、見終わったときに何がなんだかと思った。

でもこの映画はいい映画と思う。篠田節子の『短編小説倒錯愛』で書いてたことを思い出したけれど、作った側からしたら、見てる人にトラウマや気持ち悪さ、嫌な気分に浸らせたいだろうから、この映画はすごくいいと思う。

かといって、もう一度見たいとは思わない。
トラウマを掘り返したりするのは、本当にダメで、嫌なものや怖いもの見たさといった趣味はない。だからもう一度見たときには居眠りをこくか、うーんとしきりにうなされてると思う。
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