あなぐらむ

トランスフォーマー/リベンジのあなぐらむのレビュー・感想・評価

4.1
ミーガン・フォックス最高ぉおおお!!
え?そういう映画じゃない?

プリテンダー(イケイケおねえちゃん型ディセプティコン)の イザベル・ルーカスちゃん最高ぉおおおお!!!!

あ、こうでもない? こりゃまた失礼しました。

上映時間2時間30分たっぷりと様々な要素が詰め込まれた、これはアメリカのヲタクの夢の幕の内弁当。
SF、ロボットアクション、ミリタリー風味、そして自分だけを愛し命をかけてくれる可愛い子ちゃん。おまけに世界を救うのは(非力な)自分自身の力だけ、というのだからこれはヲタの夢の具現化に他ならない。
陽性だが極めてネガティブなアメリカン・ドリームというか。裏返ったセカイ系というか(同じ年の同じ時期に、エヴァンゲリオンが公開されてるってのは面白い)。

前作ではまだエイリアン侵略SFとしてのルックを前半に持たせ、"何かが起こってる感" で見る者を引っ張ってくれたが、全てが(観客に)分かってしまっている本作では、バトルを派手にすることと、スケールをデカくすることしか選択肢としては無いわけで、まぁシナリオはその通りに進むのだった。

これはパンフレットのマイケル・ベイのインタビューでも触れられているが、続編製作の初期に例の脚本家協会のストがあった影響を本作も食らっているようで、実際のところ充分にストーリーが練られているとは言い難い(前作でもシナリオが弱かったが、本作はそれ以上に弱い)。話自体はテレビ東京の午後のロードショーで流されるB級バカ映画と大差ないのだから。

だが、だからと言って本作を貶したりするのは大間違いだ。
子ども騙し、バカげてる、そんな誹りも受けそうなストーリーを、大金と最先端の技術力を惜しげもなく投入して、エンタティメントに仕立て上げてしまうスピルバーグとマイケル・ベイの、その潔さこそ褒め讃えるべきだ。
マイケル・ベイはとても嫌がってたそうだが、本作ではミーガン・フォックスのセクシィショットをわざと多用している。そして登場するロボットの数もアクションシーンも増加させている。観客が何を見たがってるか、それを充分に製作側が理解し、不足なく提供する。ポップコーン・ムービーとしての役割を十二分に果たしている。
事実アメリカでの興行成績はかなりのものだというから、彼らは間違っていないのだ。

オリジナルのトランスフォーマーのファンにとっても、本作ではプライムの伝説やエネルゴン、マトリックスといったキーワードの登場とオリジナルエピソードを引用した展開で溜飲の下がるものになっているのではないだろうか。
思い入れの無い人も楽しめ、思い入れがある人もある程度満足できる、というわけだ。

何度も書いてるが俺は今回は半分はミーガン・フォックス目当てで観にいったんだけど、砂漠でリロードしながら銃弾?撃ち捲くるラチェットさんの勇姿とか、アメリカ海軍駆逐艦のレールガン(!)の描写とか、ロックウェルB-1のよる爆撃とか、SR-71ブラックバードがトランスフォーム(しかもジェットファイア)とか、「あぁこんな映像見てぇなぁ」と思うシーンが随所にあって、それだけでも木戸銭分はある。ピラミッドもぶっ壊すし。

キャスト面では今回、ジョン・ボイトが出てないのはやはり残念だったけど、その分?ジョン・タトゥーロが暴走かましてくれて楽しませてくれた。ジョシュ・デュアメルは活躍が少なくてちょっと残念。
プリテンダー役のイザベラ・ルーカスは「HEROES」にも出てるのね、なかなかイケてるお嬢さんでした。

今回は特にマイケル・ベイの破壊スキーぶりが目立っていて、とにかくなんでも壊し捲くり、人も大勢殺しまくり。
ロボ戦の残酷描写も何気に凄い。派手にザックリ行ってて切株派にもオススメ。
あとベイベイは軍ヲタなのか、とにかくミリタリー描写は嬉々としてやってる感があって面白い。
ちょっと下品なギャグとかが多いので、お子さんと観るのは注意が必要。
どっちかってとマセた中学生向け、な感じの映画なんだけど、劇場は意外なことにおじさん、おばさんがいっぱい。
なんで? 歌舞伎町だから? と解せない思いで劇場を後にしたのだった。
あ、あとウィーリーの玩具はマジで欲しくなった(笑)。