ほーりー

影なき男のほーりーのレビュー・感想・評価

影なき男(1934年製作の映画)
3.7
一人の科学者が忽然と姿を消した。

心配になった彼の娘は、父親の旧友で元私立探偵のニック・チャールズに父を捜索するように依頼する。最初はニックも半信半疑だったが、科学者の女秘書が殺害されたことで状況は一変する。

ハードボイルド小説の大家ダシール・ハメット原作のミステリー映画。聞くところによると、ハメット最後の長編がこの「影なき男」だそうだが、映画の方は本作の大ヒットにより、足掛け13年、計6作も続編が作られるほど人気を博すこととなった。

映画の中の名探偵はキャラが立っているほど、比例して話も面白くなってくるが、ご多分に漏れず本作の主人公であるニック(ウィリアム・パウエル)とその妻ノラ(マーナ・ロイ)も魅力的な人物として描かれている。

凄腕の探偵だったニックは金持ちの令嬢ノラと結婚してリタイアしたという設定…つまり逆玉。

人をくったようなニックのキャラもいいのだが、事件に首を突っ込みたがるノラが表情豊かで、とにかく可愛らしい。

また夫妻の愛犬ワイアー・フォックス・テリアのアスタ君も印象的だった。悪漢がご主人様に襲いかかろうとすると、怖くてすぐに物陰に隠れちゃうのには観てて笑ってしまった。
ほーりー

ほーりー