KnightsofOdessa

影なき男のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

影なき男(1934年製作の映画)
3.5
[こんな探偵に頼みたくないけど会ってはみたいよね] 70点

銃を向けるのは止めてくれ、妻は気にしてないけど僕は臆病なんだ。

こんな調子で不必要なまでにおちゃらけた元探偵であるが、必要以上にハードボイルドな探偵と並んでこんな奴らじゃないと探偵業なんてやってらんないんだろうと勝手に夢想する(ただ単に小説だからって話なんだろうけど)。そんな彼は少し前に富豪の娘と結婚して引退していたが、古くからの友人である科学者が行方不明になって面白半分に捜索を引き受ける。

個人的に大好きな「巨星ジーグフェルド」の主演コンビが復活するってだけでテンション上がるが、残念ながらパウエルもロイもそこまで出てこない(探偵というか事件そのものが主人公みたいなとこある)。それでもロイが顔をクシャっとするとことか可愛すぎて萌え死ぬかと思った。氷嚢を頭に括り付けたロイが本作品の推しシーン。ベレー帽は絶望的に似合ってなかったけど。

話は色々とこんがらがった末に探偵が全員をディナーに集めるという名探偵コナンみたいなことやって推理を披露する。このディナーのシーンでみんながパウエルの言ったことに一々反応するため全然進まなくてイライラする。ちょいちょいロイがつっこみ入れるのも可愛いけどテンポを悪くしている。

総じて微妙な印象を受ける。結構楽しみにしてたのだが肩透かしを喰らった気分だ。それもこれも半分に割って途中に「いい意味で小悪魔」見ちゃった私が悪いのかもしれない。

追記
動物がそこまで好きじゃないから動物がフィーチャーされる映画って苦手なんだけど、本作品のアスタ君は可愛かった。
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