W・S・ヴァンダイク監督『影なき男』(34)。D・ハメット原作の探偵ものだが、ここはフォックス・テリアのアスタことスキッピーに注目。MGMの門番フランク・インがそれ迄映画に不向きと考えられていたこの気性の激しい犬種を手懐け銀幕に初登場させた。化粧要らずの黒縁瞳が黒白画面に映える。
フォックス・テリアにも色々あって、本作のアスタはワイアー=ヘアード・テリア。因みに『アーティスト』(11)のアギーや『タンタンの冒険』(11)のスノーウィーはジャック・ラッセル・テリア。チャップリンの『犬の生活』(18)のスクラップスもテリア系雑種か。