[一般解か特異解か不明瞭] 60点
ハンガリーで知らぬ者はいない"賞取り男"ファーブリ・ゾルタンの日本で唯一紹介された作品。しかし本作品は凡庸なので、もっといいやつ持ってきてくれよと思ってしまう。
ハンガリーの寒村出身の主人公たちがフランスに出稼ぎに出てくる1942年冬から翌年冬に帰宅して徴兵されるまでを描いている。この時代のマイノリティとしてユダヤ人しか知らない部外者としてはハンガリー人出稼ぎ労働者の生活は新鮮ではあったものの、現代の我々からすればWikipediaに書いてありそうなネタである(それを理由に評価を低くするのは間違いだが)。
しかし、出稼ぎ先の地主のおじさんが優しすぎるので、この時代の一般解として提示しているのか特異解として提示しているのかが不明瞭であるのが難点。悪くはないが決定打に欠ける一本であった。
賞取り男と呼ばれるくらいなら賞を取ったやつを紹介してくれよ。んで、賞取ったやつってどれよ。