まや

東京公園のまやのネタバレレビュー・内容・結末

東京公園(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかくすごく好きだった。3人の立場の異なる女性を据えて主人公がカメラを通して関わりを持っていく。

登場人物達を取り巻く人間関係の形成がごく自然に生まれていて、人との関わり合いや、不思議な出会いによって人は社会で生きていることを強く感じたし、その良さがかなり出てきていてとても良かった。

幼馴染、姉弟、父親や母親、幽霊と人間関係性に名前がついているものが多く出てくるが、なぜだか全ての関係で予想を裏切られた気がする。凝り固まった単語の意味としての関係性ではなく、血の通った人々同士の関わり合い。その人達によってしか形成されない唯一無二の関係性がいくつも出てきて感動した。どれも突飛ではなく、納得感があったから、本当に人とのつながりを感じられて大好きな作品だった。

また、キャストにおいても、それぞれが無理のない役所のように感じた。もちろんどんな人なのか俳優さん達の性格とかは正確には掴めないけど、その人の性格が役に溶け出しているような感覚を強く覚えた。だからこその納得感だなと思った。

光の取り入れ方や間の入れ方等も心地良くずっとこの東京に集う人々の彼らだけの人間関係を観ていたかった。

キスシーンの長尺は本当に最高で、無駄な台詞を削ぎ落とした2人の関係をカメラの前でじっくり見せてくれるのが至福だった。涙出た。

どうしようも無くなってしまった時に、他人からの何気ない一言で救われることってあるからどんな関係も大事にしたいと思った。
まや

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