LEE

軍鶏 ShamoのLEEのレビュー・感想・評価

軍鶏 Shamo(2006年製作の映画)
3.5
日本の漫画を日本人がプロデュースしたのに何故か監督も主演も香港陣という謎の映画
原作は実は読んでたり……


SPL2を撮ったソイチェンだけありどん底の人間を描くのが上手い
ショーンユーもンジャンユーも梁小龍も日本人というのには違和感をどうしても感じてしまうが、作品全体の雰囲気はとても良かった
少年院のくだりはちょっとダイジェスト感が強かったが(アクションも)色々と描かなければならないことが多そうだったのでそこはあまり気にはならなかった
途中までは完成度も高く本作の酷評が多いのは何故だろうと思って見ていたが、その理由が終盤で分かった
原作では主人公が親殺しをしたという設定だったが、映画版では妹の罪を被って捕まったという設定に改変されていた
確かに映画としてまとまりがいいのは改変後の設定なんだけど、最悪の人間がどんな手を使ってもいいから自分の存在を世に認めさせるというこの作品の根本的な部分から逃げてしまっていたので実写化した意味が薄く感じられてしまった
でも脚本に原作者も名を連ねているのでそこは公認なのかな…?


アクションはショーンユーもンジャンユーもアクション俳優ではないんだけど見応えのあるアクションに仕上がっていた
梁小龍もアクションしてくれるのも嬉しい
でもやや不満もあり一つは試合のロジックがしっかりしてないこと
ヤンキーの喧嘩アクションとかだったら気合いで形勢逆転とかでもいいかもしれないけど、格闘技を描くなら敵のこの技の際にできる隙を狙って…みたいな攻略法をしっかり描いて欲しかった
あとは最後の魔裟斗との戦いをしっかり描いてくれなかったこと
せっかく格闘家を連れてきたなら普通の俳優やスタントマンにはできないようなものを見たいんだけどごまかしごまかしな感じでもったいないように感じた(あと魔裟斗演じる菅原のキャラクターの掘り下げも浅い



原作を知らない方が逆に楽しめるかもしれない一本
散々書いたけどそこまで嫌いではないです(正直原作の落とし所もアレだったので…
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