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ブロンコ・ビリーのtjZeroのレビュー・感想・評価

ブロンコ・ビリー(1980年製作の映画)
3.8
クリント・イーストウッド監督作といえばダークでシビアな題材が多いが、個人的には『スペース・カウボーイ』や『ハートブレイク・リッジ』みたいな大らかで明るい作品が好み。主演も兼ねた今作では、ワイルドウエスタン・ショーの座長をノビノビと演じている。西部劇が似合う(おそらく最後の)スターとして、馬を乗りこなす様が実にカッコいいし、銀行強盗を退治するシーンのように、『ダーティハリー』などの自己像をセルフ・パロディする姿勢も余裕たっぷり。
'80年代という、すでに西部劇を作りにくくなった時代に、時代遅れのウエスタン・ショーという形で西部スピリットを表現するという作り方も大変スマート。スネに傷持つ団員たちが、熱いハートとカリスマ性を持った座長に引っ張られて、手作りのショーに奮闘する様子が、なつかしかったり、しみじみしたり…ほのぼの&のほほんと楽しめる良作。イーストウッド作は暗くて苦手、というヒトにこそおススメしたい。
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