2011年、ワイズマン監督作を一挙上映する「フレデリック・ワイズマンのすべて」にて日本初公開。
山形国際映画祭ドキュメンタリー'93にて上映された作品。
アメリカでドキュメンタリー映画の第一人者であるフレデリック・ワイズマンによる、マイアミにあるメトロポリタン動物園の様子を撮った真摯なドキュメンタリー。
動物園にそのまま入りこんだかのような一歩ひいた目線での映像。
ワイズマンの作品は、演出やナレーションを意図的に排したドキュメンタリー作品で知られるが、本作も例に漏れず、ナレーションや解説を入れた感動的な演出は一切排し、淡々と動物園の日常を描く。
出産が遅れ死産したサイの子どもの解剖では頭を切り落とし写真を撮り、身体は無造作に2人かかりでトラックへ。半殺しにしたウサギを蛇のエサにした様子、ヤマイヌの去勢手術。
16ミリで撮影された映像は荒く、視聴した媒体の映像状態が悪い。血や肉片が鮮明に見えないので、より淡々と観れたのが良かったとも思える。
動物を見て楽しむ人々の様子以外の、冷淡にも思えるその映像には動物園経営の日常がはっきり映し出されている。
