1999年4月コロラド州コロンバインで起きた高校銃乱射事件をドキュメンタリー風に再構成したフィクション。
以下ネタばれ含
始まってしばらくは意図がわからず眺めるばかりだが、メインの人物が入れ替わる度に徐々に伝えたいことがわかり始める。
時間の構成が秀逸で、後に事件に巻き込まれていく彼らの一日の一場面が人物毎により別アングルで重ねられていく。
平凡な一日のはずだった、ということを強調するかのように。
一方で凶行におよぶことになる学生2名が決行に至るまで着々と淡々と準備を進める様子も合間に組み込まれ、徐々に終わりに近づいて行くというどんよりとした予感が胸に広がる。
そして、結末。作品はフィクションであっても、元となった事実は存在し、命が潰えた彼らは永遠に時が止まったままだ。
こうした作品を観る度に思うのは、理不尽に巻き込まれ、何もわからないままこの世を去ることになった人々の無念、というか無念すら浮かぶ間もなく突然の暗転となること、というのがどういう事なんだろうかと。私には全然わからないし、ただただ恐ろしい。
しかしこの映画は結末さえ考えなければ、ある種青春ストーリーのようにも思える。たわいない会話やじゃれあいなど、日本の高校とはかなり様相が異なるが、観ていて楽しいとすら思える時もある。なんとも複雑な作品。
内容の重さは異なるが、作りが『桐島、部活やめるってよ』に似ているな。
桐島楽しめた人は観やすいんじゃないかしらね。