イチロヲ

ソサエティーのイチロヲのレビュー・感想・評価

ソサエティー(1989年製作の映画)
4.0
ビバリーヒルズの上流家庭で居心地の悪さに苛まれている男子高校生が、家族の人間関係を調査しながら、社交界の猟奇性を暴き出していく。ブルジョワ階級の人間模様を痛烈に皮肉っている、グロテスク・ホラー。

家庭内に充満する怪異的な雰囲気を察知した主人公が、似たような境遇をもつ仲間たちと共に、社交界の深淵を探っていく。しかし、有力者による凄惨な口封じにより、主人公が孤立無援の立場に置かれてしまう。

特殊メイクを担当しているのは、日本人アーティストのスクリーミング・マッド・ジョージ。一見では特殊メイク不要のドラマに見えるのだが、各地の富豪が集結した社交パーティの場面に移ると、愉快なクリーチャー同士の酒池肉林が展開される。

「上流階級の社交界=グロテスクな世界=人間を人間として扱わない世界」という方程式を織り込みながら、鑑賞者にショックを投じてくる。ネタバレ厳禁のため、深くは言及しないが、めくるめくエログロナンセンスが、サイコーに楽しい。
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