GaPTooth

日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

インパール作戦の犠牲者たちが、その悲惨で凄絶な経験を、映像を通して雄弁に語る。
一生懸命に生きようとするが、そうできず、もがき苦しむ人間の悲しみを見た。

戦争はすべてのものを奪う。
人間の尊厳も、
希望も、
夢も、
将来も、
人間らしさも、
心も、
命も。

本作に、インパール作戦の立案者は出てこない。
出てきた中で一番の上官は、現地で指揮官として着任していた大隊長らしい。
こいつも非道な奴だけど、最も責められるべきは作戦を立案して推進したバカ野郎だろう。

自分は遠く安全な場所に身をおきながら、現地で戦う者たちに無理難題をふっかける。
人間を消耗品のように扱い平気でふんぞり返って威張っていたバカ野郎。
そして、
後方支援も、補給も、弾薬も何も与えず、ただただ精神論を振り回し、この無謀な作戦を激励し続けたのは、第十五軍司令部の牟田口廉也中将だ。

結果、本作で見たように日本軍は完敗。
後退する日本軍を、英国とインドの連合軍が追撃に次ぐ追撃。大勢の人間が犠牲となり、死体の山が築かれた。

ラスト。
魂の解放を得た大勢の人間の姿を確かに見た。そして知った。
沈黙を保つべきなのか?
否。
忘れない。
そして、
繰り返さない。

※インパール作戦の犠牲者は、およそ8万5000人にものぼる。
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