こぅ

愛憎の曲のこぅのレビュー・感想・評価

愛憎の曲(1946年製作の映画)
4.0
「あなたは世界一幸せな女性だわ」

'22 6/24 ジャケ写掲載していただきました。

アーヴィング・ラパー監督による、【愛憎サスペンス】の佳作。


感動的再会を果たしたチェリストのカイル(ポール・ヘンリード)とピアニスト、クリスティン(ベティ・デイヴィス)の恋人同士。
忽ち結婚するも、彼女の愛人である名作曲家、ホレニアス(クロード・レインズ)が現れ…。

クリスティンの ふくらはぎファーストカット から観入る(魅入る)。
そして、コンサート中の霧掛かった会場に入る、、
吸引力のある、唆られるスタートだ。
そして、クリスティンの人柄も提示される。

クリスティンは、見晴らしの良い高級マンションの最上階に住み、インテリアや衣類には、高額なモノが、、

序盤で、ジャンルが見えない⁈
いや、1箇所、常軌逸したあの行動がサインか。

師匠で元彼⁈のホレニアス登場から三角愛憎がスタート。
結婚披露宴なのに 嫌味タラタラ で帰る。

テンポが早い訳では無いのに的確で丁寧な筋運びに観入る。

それは、ベティ、クロードを始め、キャストの演技力の賜物だと思わされる。

【狂気(凶器)】が、中々牙を向かないじっくりジリジリのラヴ・サスペンス。
大胆なツイストがある訳でも無いので、詰まらない(飽きる)と感じる者も多そう。

どう転がるのか観ていると、終盤の展開で先が見え始め、
クライマックスは、予想通りの展開になるが



結末は、違った。
それは、冒頭で見られたクリスティンの◯そのものの現れだが、真逆の意味の◯になる皮肉が、本作の味噌か⁈
彼女に感情移入するからこそ、馬鹿な過ち(勿体無い事)をしてしまったと、つくづく思わされる、、。
愛の矛盾。

ACC-215
こぅ

こぅ