#1249 作品賞(83/95)
2004年 アメリカ🇺🇸映画
監督はクリントイーストウッド
脚本はポール・ハギス
原作: テン・カウント
第77回アカデミー賞作品賞受賞他、4部門受賞
前半は「ロッキー」プラス、クリント・イーストウッドとモーガンフリーマンの掛け合いに痺れ、後半は尊厳死まで考えさせられる辛い名作。
トレイラー・ハウスに住むほど貧しい家に育ったマギー(ヒラリー・スワンク)は、プロボクサーになるため、ウエイトレスをしながら、フランキー(クリント・イーストウッド)ボクシングジムに通い始める。
フランキーはかつて止血係として活躍した後、トレーナーとなってジムを経営していた。
彼には娘ケイティがいるが、音信不通という恵まれない私生活を送っていた。
フランキーの旧友でジムの雑用係、元ボクサーのエディ(モーガン・フリーマン)は彼女の素質を見抜ぬき、彼女に同情する。そんなエディの説得と熱心にジムに通うマギーの姿を見て、ついにフランキーは彼女コーチングを引き受ける。
二人のトレーニングが始まる。
「ロッキー」のような派手さは全くない。しかしそれが逆にリアルでいい。
地味な練習を重ね、次第に彼女は力をつけていく。そんな姿を映画はうまく撮っている。彼女が目に見えて筋骨隆々になっていくのだ。腹筋の割れ方、肩の張りが素晴らしい。ヒラリーは実際に相当の練習をしたに違いない。
マギーはフランキーの指導の下、試合で勝ち続けて評判になりはじめる。
そしてついに世界チャンピオンへ挑戦するのだが…。
世界戦後の後半は、宗教と死について、そして人が生きということについて考えさせられるシーンがつづく。
前半の彼女のサクセスストーリー、老人二人の掛け合いの面白さと後半のストーリー展開のギャップと衝撃の大きさに映画を観終わった後、何を考えているのかわからなくなる。
しばらく呆然となってしまった。今まで見えていた世界の風景が、何か変わってしまったようなそんな錯覚に陥る、とんでもない映画だ。
2023.06.17視聴284