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ミリオンダラー・ベイビーのokwのネタバレレビュー・内容・結末

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

悔いのない人生を送るにはどうしたら良いか、考えさせられる映画。


中盤まではボクシングへの情熱を持った三十路の貧乏ウエイトレスのマギーと、老トレーナーのフランキーの、頑固者同士のバディムービー。


マギーの素直さと根性にほっこりしつつも、31歳にして弟子入り志望というのにまず驚く。
転職が当たり前のようになっている今どきでも、三十路でそこまでの覚悟と行動力のある人はなかなかいない。

フランキーの教えを素直に聞き、鼻が折れようがまぶたが切れようが試合で結果を出し続けるマギーの愚直さに勇気づけられる。

個人的には、マーベルでは2代目キャプテンアメリカとなったファルコンことアンソニー・マッキーが噛ませ犬役で出ているのも楽しめた。


しかし、それまでの空気も一変してまさかの終盤。
中盤までの成功を見てしまっているがゆえに、試合中に自分を守ることを怠ったマギーの後悔も、マギーにボクシングを教えてしまったフランキーの後悔も痛いほど共感させられ、あまりの落差に感情が自分の行方不明になってしまう。


生き続ける道はあったにも関わらず、それまでの栄光を記憶しているうちに人生を終えることを選んだマギーと、その想いを受けとめて送り届けるフランキー。

その瞬間に2人に後悔はあったのだろうかとか、いやいや後悔を昇華させたからこそ、その選択をしたんだろうとか、色々と考えさせられる。


よくよく考えると、明日の同じ時間に自分や自分の大切な人が生きている保証はどこにもないのが人生なわけで、最期の瞬間に後悔しないためにはどうしたら良いだろうか。
そんな問いかけをされているような映画だった。
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