吉良吉影

ミリオンダラー・ベイビーの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

イーストウッドの王道ジャンプにあるようなスポーツ・サクセスストーリー。貧困層に生まれた娘が頑固親父トレーナーに鍛えられ、ビッグタイトルへ挑戦。中盤までは心温まる話だったが、イーストウッドの作品という事を忘れてはいけない。たいてい中盤から後半にかけての落差がある傾向がある。本作も不正を働く相手に不意を食らって結果全身麻痺へという胸糞展開に突入。そこからのどんよりとした雰囲気が画面外まで伝わってくる。

「自分を守る事だ」。マギーが全身麻痺した後に、スクラップに対して「守れなかった、ごめん」というセリフはゾッと震えた。何故自分に不条理なことが降り注ぐ中で、そんな事が言えるのかと感動。

最期のフランキーの葛藤。マギーは殺してくれという要望に対して、拒絶。しかし、マギーが自殺を図り意地でも死のうとする姿に、フランキーはどうすることもできずに苦悩する。この最後の二人の駆け引きは、どう転ぶのか手に汗握る展開だった。

折れた鼻を治す、舌を噛みちぎる描写など痛々しい場面があったので、手に力が入ってしまった笑。マギーの痛みに対する耐性が強すぎる。

最後にはっきりと言えることは、
マギーの家族がゴミすぎて笑えなかった。
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