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ミリオンダラー・ベイビーのharuのレビュー・感想・評価

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.5
ミリオンダラー・ベイビー

2005年 / アメリカ

クリント・イーストウッド監督作品。
2005年のアカデミー賞7部門ノミネート、
そしてそのうち4部門を受賞という凄作品。


ものすごい傑作で、
ものすごく大好きなんだけれど、
もう一度観る勇気がないという作品がいくつかある。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などが、
よくそんなイメージで語られるのではないだろうか。
この作品も同様に、
ものすごい傑作と称賛されているが、
2度目を観るのに勇気が必要だ。


31歳の女性ボクサーが、
老人のトレーナーに弟子入りを志願。
トレーナーは一度は拒否したものの、
彼女の強い気持ちや姿勢を受け入れ、
共にタイトル戦を目指して闘いを続ける。
どことなく境遇の似た2人は、
世界を目指す中で絆を深め、
ついに世界王座をかけた闘いに手が届く。


ボクシングを舞台としたヒューマン・ドラマであり、
「モ・クシュラ」=「あなたは私の血」という、莫大な愛がテーマとなっている。


愛深きゆえに乗り越え続けられることもある。
その反面、
愛深きゆえに辛くて悲しい決断をしなくてはいけないこともある。


視聴者も作品を観ているうちに彼らを愛してしまったからこそ、後半は許し難い展開と思ってしまうのかもしれない。

あの時母親がもっとこうしていれば
あの時ダンが、あの時エディが、
映画を観ながらそんな風に思ってしまうのならば、それはもう彼らを愛してしまった証拠と言えるのだろう。

美しく、苦しい名作だった。
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