このレビューはネタバレを含みます
さすがアカデミー賞。
非常に多くのことを盛り込んでるのに素晴らしいほどにまとまっている。
・貧困
・アメリカン・ドリーム
・家族
・尊厳死
過去を背負った2人のおじさん(フランキーとエディ)と中年の女ボクサー(マギー)の物語。
途中までは見事なサクセスストーリー。
そこから、まさかのマギーが脊髄損傷による全身麻痺という重い展開に。
しかも、その原因はボクシングの試合の相手の反則によって起こる。
車の事故とかならまだ不運で済むのに。
さらに、追い討ちをかけるような家族の態度。
ここらへんは、本当につらくて観てられなかった。
そして、フランキーとマギーは、お互いに父親と娘に重ね合わせてきたことがとても辛いラストへと。
なにが正解かなんて。
答えなんてない。
どっちでも辛い結果しかないけど。
それでも…。
そんな風にしか考えられない。
そして、ラストシーン。
ラストシーンは、あのレモンパイの美味しいマギーと父の思い出の喫茶店を、窓越しに写すシーン。
フランキーは、以前に2人(マギーとフランキー)で来たときに
『絶品だ、このまま死んでもいい』と言っていた。
こんな何気ないセリフが、とてつもなく大切な意味を持たせていた伏線だったなんて…。
フランキーは、このパイを最後に食べて自分も終わりを迎えたんだと思う。