すずす

天使のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

天使(1937年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

エルンスト・ルビッチ監督による舞台劇の映画化。外交官夫人のアバンチュールが招いた三人の恋のトラブルは「真っ正直な三角関係」一辺倒で他愛のないお話しです。
しかし80年代に見られるワーカホリックの男性を揶揄するロマコメの先駆け的な意味合いもあり、流石にルビッチです。

マリア(マレーネ・ディートリッヒ)が、パリで旧友ロシア大公爵夫人のパーティに行くと、控室でアンソニー・ハルトン(メルビン・ダグラス)と出会い。ハルトンは彼女に魅せらるが、名前や素性を明かさない為、「エンジェル」と呼ぶ。来週水曜の五時に逢いましょう、と言い残し、「天使・マリア」は去っていく。
実は、マリアは英国有数の外交官フレデリッヒ・バーカー卿(マーシャル)の妻だったが、渡航続きの夫が家を空けてばかりで、暇を持て余していたのだ。
おまけに、ハルトンとフレデリックは第一次大戦の戦友で、ハルトンはフレデリックに「天使」との出会いを打ち明けます。遂に、ハルトンが自宅に来た時、マリアは知らんぷりをしますが、二人きりになった瞬間、マリアはハルトンを袖にしますが、諦めきれないハルトンは翌週パリで再会しようと云い残します。
バートン卿は、妻との思い出の地ウィーンへの休暇を予定していましたが、それも仕事でキャンセル。そこで、妻マリアが、1週間前にプライベートジェットでパリに行っていた事実を知り、疑念を抱き始めます。
バートン卿は仕事でジュネーブへの途上、マリアをパリの空港で降ろします。そしてバートン卿はロシア大公のサロンに向かいます。するとマリアが現れます。ハルトンはマリアに愛を告げますが、フレデリックが現れます。バートン卿は隣の部屋で「天使」に会ったと告げ、マリアに自分の行いを許してくれるのなら、二人でウィーンに行きたいと云い部屋を出ていくとすると、マリアは躊躇うことなくバートン卿の後を追います。

パリのタクシー運転手などのくすぐりはありますが、恋のトラブルというより、恋のロマンティシズムの要素が強く、物足りなさが否めません。

ハルトン役には「ニノチカ」のプレイボーイ役メルビン・ダグラス、バートン卿役はハーバート・マーシャルは義足の俳優として知られる。第一次大戦のフランス戦線で膝を撃たれ、義足となったが、俳優として復帰した努力家。
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