「君が誰であろうと
この出会いで私の人生は報われたから
君は天使だ」
エルンスト・ルビッチ監督による、三角関係を描く【ロマンティック・ラヴ・ストーリー】。
夫、フレデリック(ハーバート・マーシャル)の不在中、内緒でパリに赴いたマリア・バーカー夫人(マレーネ・ディートリッヒ)が、偶然出会ったアントニー(メルヴィン・ダグラス)と恋仲になってしまう…。
冒頭、
ロンドンから飛行機でパリに到着した、ワケありそうなバーカー夫人。
↓
ロシアの亡命貴族でアンナ大公妃のサロンへと向かった。
一方、一足先にサロンに着いたアントニー。
(着いたと同時にカメラは彼を追わず、窓の外からアンナの行動を横スクロールで追う長回し)。
↓
2人は、
アンナ大公妃のサロンで、ひょんなことからアントニーと出会い、忽ち意気投合して、スマートに夜の食事に誘う。
2人のアップがお美しい〜
本作、ベスト美ショット と挙げたい‼︎
貴方は、
パーフェクトな男、と夫人が褒めれば、
貴女は、
この上ない エンジェル と返すアントニー。
名前すら知らない2人、
既婚云々を聞けばムードを壊す、、
ラヴ・ストーリーとして
展開や脚本(セリフ)が洗練されていて一々オシャレだな。
夜の公園でのキスもロマンティックな演出だ。
夫人が別れ際に ある賭け を持ちかけて消えて行く、、
ジュネーブからロンドンに帰ってきたフレデリック・バーカー卿。
妻のベッドを確認、
その前にはしっかりベッドに就いているアンナ。
ラヴラヴ夫婦っぷりが伝わる。
(鏡の反射を使った固定ショットは珍しくないが、ルビッチはちょっと違う)
「浮気されてもケンカはしない
相手より魅力的になってみせる」
↑
マリアの女性像は、
恋女なところも、強い(キツい)気質もある。
中盤以降、
3人が繋がってくるという 映画的展開 になって、観る者にこの先の興味を持たせる。
奇跡的な再会を果たしたマリアとアントニー。
アンナが既婚者と分かっても断固引かないアントニー。
今度は逆にアントニーから賭けを提示して別れる、、
夫のフレデリックは、
妻を愛しているが、仕事優先男で、、
クライマックスは、
サロンにて3人による、大人の 駆け引き が真っ向からぶつかる。
(マリアが何の為に再びサロンに向かったのか分からないとダメ‼︎)
↓
ここは、◯◯アだけの決断じゃないんだ‼︎
そして、、結果は出る。
ラストショット決まり過ぎじゃない‼︎
ルビッチタッチは、
逐一説明などしない。
描写でオシャレに語る演出。
ライター3人でも
ウェルメイドな普遍的ラヴ・ストーリーで、コメディじゃないけど、クスッとユーモアも忘れないのは流石‼︎
兎に角、
マレーネ嬢(36)を全編美しく捉えている。
スパンコールのドレスを着ても煌びやかさで負けてない‼︎