こぅ

天使のこぅのレビュー・感想・評価

天使(1937年製作の映画)
4.5
「君が誰であろうと
この出会いで私の人生は報われたから
君は天使だ」

エルンスト・ルビッチ監督による、三角関係を描く【ロマンティック・ラヴ・ストーリー】。


夫、フレデリック(ハーバート・マーシャル)の不在中、内緒でパリに赴いたマリア・バーカー夫人(マレーネ・ディートリッヒ)が、偶然出会ったアントニー(メルヴィン・ダグラス)と恋仲になってしまう…。


冒頭、
ロンドンから飛行機でパリに到着した、ワケありそうなバーカー夫人。

ロシアの亡命貴族でアンナ大公妃のサロンへと向かった。
一方、一足先にサロンに着いたアントニー。
(着いたと同時にカメラは彼を追わず、窓の外からアンナの行動を横スクロールで追う長回し)。

2人は、
アンナ大公妃のサロンで、ひょんなことからアントニーと出会い、忽ち意気投合して、スマートに夜の食事に誘う。

2人のアップがお美しい〜
本作、ベスト美ショット と挙げたい‼︎

貴方は、
パーフェクトな男、と夫人が褒めれば、
貴女は、
この上ない エンジェル と返すアントニー。
名前すら知らない2人、
既婚云々を聞けばムードを壊す、、

ラヴ・ストーリーとして
展開や脚本(セリフ)が洗練されていて一々オシャレだな。
夜の公園でのキスもロマンティックな演出だ。

夫人が別れ際に ある賭け を持ちかけて消えて行く、、

ジュネーブからロンドンに帰ってきたフレデリック・バーカー卿。
妻のベッドを確認、
その前にはしっかりベッドに就いているアンナ。
ラヴラヴ夫婦っぷりが伝わる。
(鏡の反射を使った固定ショットは珍しくないが、ルビッチはちょっと違う)

「浮気されてもケンカはしない
相手より魅力的になってみせる」 

マリアの女性像は、
恋女なところも、強い(キツい)気質もある。

中盤以降、
3人が繋がってくるという 映画的展開 になって、観る者にこの先の興味を持たせる。

奇跡的な再会を果たしたマリアとアントニー。
アンナが既婚者と分かっても断固引かないアントニー。
今度は逆にアントニーから賭けを提示して別れる、、

夫のフレデリックは、
妻を愛しているが、仕事優先男で、、


クライマックスは、
サロンにて3人による、大人の 駆け引き が真っ向からぶつかる。
(マリアが何の為に再びサロンに向かったのか分からないとダメ‼︎)

ここは、◯◯アだけの決断じゃないんだ‼︎


そして、、結果は出る。
ラストショット決まり過ぎじゃない‼︎


ルビッチタッチは、
逐一説明などしない。
描写でオシャレに語る演出。
ライター3人でも
ウェルメイドな普遍的ラヴ・ストーリーで、コメディじゃないけど、クスッとユーモアも忘れないのは流石‼︎


兎に角、
マレーネ嬢(36)を全編美しく捉えている。
スパンコールのドレスを着ても煌びやかさで負けてない‼︎
こぅ

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