Yuuki

ホーボー・ウィズ・ショットガンのYuukiのレビュー・感想・評価

4.0
流れ者のホーボーが行き着いたホープタウンは、警察も無力なほどに犯罪・暴行・殺人・強盗が横行する腐った街だった。ある日ホーボーは雑貨屋で強盗団と遭遇するも、近くにあったショットガンを手に取り全員射殺。それをきっかけにホーボーはショットガン片手に街を浄化する存在として立ち上がるのであった…。な話

はっきり言って、ゲロ吐くかと思うくらい笑ってしまった。めちゃくちゃ痛快で最高!!開幕たった5分で、予備知識も無く見始めて「どんな映画なんだろう?」と身構える前にいきなり街の支配者ドレイクが弟を斬新すぎるギロチンで殺害!そして女が首から吹き出した血を浴びて狂ったように踊る!というめちゃくちゃなバイオレンス描写を見せつけて開いた口が全くふさがらなくなり、そのまま一気に90分全力で突撃していって、気付いたら終わってました。こんな90分あるかよ…。でもこの5分でホープタウンがいかにやばい街か、ドレイクがいかに狂ってるかというのが根性焼きをされたかのように深く強く印象づけてくれました。ホープタウンのめちゃくちゃさが本当に常識では考えられないレベルで、逆に笑ってしまうんですよね。人ってこんなにめちゃくちゃな事、考えられるんだな…とリスペクトすら感じる

登場人物も全員に個性と見せ場が用意されていて、キャラメイキングもしっかりしてて素晴らしい。ホーボー(初代ブレードランナーの悪役ルトガー・ハウアー)は非の打ち所がないカッコ良さで「怒」をただ一つのモチベーションにしてめちゃくちゃ頑張る!!すごい!売春婦のアビーも何もできずに震えるだけだったのにホーボーの背中を見て変わっていく様は少年漫画を見ているようでかなり熱い。ドレイクと息子スリック&アイバンも、一切善の心が無い非道な超絶極悪人なのにコミカルに見えてくるのも魅力的。そんな感じでホーボーが勧善懲悪する展開は気持ちよかったな〜〜

まあ余りにもめちゃくちゃ過ぎるが故に人は選びまくると思うけど、ハマる人はめちゃハマると思います。そしてその流れでジェイソン・アイズナー監督の名作「ターボキッド」もあわせて見てみましょう(設定が違うだけで話はほぼ同じ)。ただオチはもうちょっと何とかして欲しかったですがね…
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