Ginny

花のあとのGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

花のあと(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。
北川景子ちゃん目当てで鑑賞。(北川景子ちゃんを好きになったのが彼女が高校生の頃だったので未だちゃん呼び抜けず)

想定していなかった良さがあり、満たされました。
序盤は目立った動きもなく、竹刀を交わし恋に落ちるのか?よくある恋物語?とテンションは盛り上がることなかったけれど美しい着物や所作、様々な日本文化を見るにつけ、内容如何ではなくこうして日本の文化を映画製作の中で再現していくことは大事だよなと思うことでつまらないと思わないようにしてました。

が、途中から想像だにしなかった孫四郎殿の切腹。ここから大きく話が動き出して目が釘付けになりました。

北川景子ちゃんの殺陣のシーンは目を見開いて驚いてしまいました。想像だにしない完成度の高さで相当練習を重ねたのだろうし 相手役の方は手練れの方なのかなと思いました。
ゆっくり話が進み、内容が酷くても(裏切り)映像で激しさが出てくることなく終始落ち着いた空気感だったのがクライマックスの殺陣のシーンは迫力があり、前半とのギャップにやられました。

才助さんはただの大食らいの不躾な人かと最初は思ってしまったが以登のお願いに真剣に耳を傾けてくれて上手く立ち回り常に朗らかでいてくれる様子を見てクルリと評価が変わりました。
素敵な人。



たった一度竹刀を交わしただけ。
女子の剣と見くびらなかった。

以登の口から出たその言葉がとても尊く奥ゆかしく胸が熱くなります。

自分を蔑ろにしなかった、そのことで以登は孫四郎のことがとても心に強く残ったのだと思う。
好き と言ってしまうと2文字で終わってしまうし陳腐まではいかないけれどここまで純度の高く澄んだ尊く強い気持ちが表しきれない気がします。
心を大きく動かされたのでしょう。

自分をそう見てもらえてプラスの方向に気持ちがいくのは自己愛なのかどうか、結局その人に好意を持っているのか自分のことが好きなのか考えたことがありますが、自己愛の部分もあれば(それは健全な自己肯定の要素とも繋がると思いますし)、自分が良しとしている価値観を抱く人とわかれば同じ思いを共有できることとなり、それが喜びとなるのかな。

時代柄によるものでしょうが、婉曲表現が奥ゆかしく、それでいて胸の内の気持ちに嘘はつかない丁寧に語られる日本語を耳にできたのは幸せでした。

ちょうど、今桜が満開で昨日今日と通り過ぎるだけですがお城の桜を見ました。
桜のピンクとお城のカラーが大好きで毎年見るのを楽しみにしています。桜に癒されたタイミングでこの映画を見たので、ラストシーン、心から穏やかで才助さんに心を開いた以登の優しい笑顔と、変わらずニコニコしているけれどどこか頼り甲斐がありかっこよく見える才助さんが満開の桜並木を歩いている場面はとても美しく、2人のお召し物も歩き方も全て素敵で月並みですが日本人に生まれて良かったな〜と思いました。
Ginny

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