紫亭京太郎

花のあとの紫亭京太郎のレビュー・感想・評価

花のあと(2009年製作の映画)
3.5
庄内地方にある架空の小藩・海坂藩を舞台にひそかに思いを寄せていた武士が自ら命を絶ったことを知りその原因となった相手に敵討ちを果たそうとする女性の姿を描く。
仇討ちという花を咲かせた後豊かな人生を実らせることができた以登。“大輪の花”が咲いたのも人生に“豊かな実り”をもたらせたのも才助の支えがあったればこそ。後に「昼行灯」と呼ばれたという決して派手さは無い才助だが以登を優しく包み込むような愛情が伝わるラストシーンに観る者の心も温まる。「慎ましくも正しく生きる」という藤沢文学の真髄を堪能できる佳作。
紫亭京太郎

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