序盤に、占拠している学部長の部屋に入って見知らぬ人の隣に素知らぬ顔で座ったり、みんなで一つのジュースを回し飲みしたり、隣のコピー機がある部屋で誰かが性行為に及んでいたりするような、なんというか自由な無秩序さが観ていてとても心地よかった。
『タクシードライバー』で主人公が深夜のネオン街をタクシーで走らせてるときの、もしくは『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で学園祭の前日を繰り返しているときの、あの心地よい浮遊感みたいなものをその場面で感じることが出来た。
終盤に行くにつれてシリアスさを増していくから、そこの部分は個人的に好みではなかったけれど、その体験が出来ただけでとても印象的な作品になった。