ノノ

インテリアのノノのレビュー・感想・評価

インテリア(1978年製作の映画)
4.0
妻がずっとヒスっててもううんざりしてる父親の気持ちも分かるし、今更1人になりたくない母親の気持ちも分かる。そしてその2人に板挟みにされる姉妹たちの気持ちは自分には痛いほど分かる。親のいざこざほど面倒くさく、メンタルにくるものはない。
娘たちも夫との関係が良好ではない。三姉妹で唯一、売れていないけど女優として自由に動き回っているフリンは馬鹿にされながらも羨望の眼差しで見つめられる。棺に花を置くときに一番泣いていたフリンは両親の近くにおらず騒ぎに巻き込まれなかったからこそ純粋に悲しめる。
ここに出てくる男たちは妻の才能に嫉妬し疲れて逃げようとする。何かを得れば何かを失う、自分にはない人生に憧れ合う。ベージュで統一された家に真っ赤な服を着て入ってくる再婚相手の違和感。こんなに救われないストーリーなのに最後のショットに希望が見出せるのがウディ・アレンの良さ。苦しいけど見てよかった。
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