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ディレクターズカット ブレードランナー 最終版のKKのレビュー・感想・評価

3.7
シンギュラリティ
ロボットと人との区別がつかなくなる時代。
自分が作られたロボットなのか、本当の人間なのか。自分自身が分からない世界は、正直恐ろしい。
自分の記憶が作られた記憶であることを知った時、自らがレプリカントであることを知る。それまで当たり前だと思っていた全てがひっくり返る。そしてその事実を知った時には、寿命はいくばくも残されていない。
感情のあるロボットに対して人権を認めるのか。人とほとんど違いのないロボットの「死」に対してどう受け止めるのか。
いずれ現実の世界にも訪れる問題なのかもしれない、、、

これが1982年に作られたってめちゃくちゃ凄い。ファミコンが発売されたのが1983年。日本で初めての携帯電話が登場したのが1985年。そんな時代にこの世界観を作り出すって凄すぎる。この作品を作った人達の頭の中を見てみたい。

この作品でフォーカスされてたのは、デッカードと4人のレプリカント達。レプリカントが当たり前に存在してる世界、そんなレプリカントが暴走している世界では、どんな価値観になっているのか。彼ら以外の人々の価値観についてももっと深堀してほしかった。

人工知能やビックデータがこれからどんどん普及していく世界。社会や経済の仕組みがどう変化していくのか、人々の価値観がどう変わっていくのか。SFの世界観を考え尽くした人々の思考を知ってみたい。
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