『アパートの鍵貸します』の座組で再び作られた作品。ヒットした作品とおなじキャスト、スタッフを集めても、面白さだけは再現できないという映画は多いなかで本作はきっちり面白いのがすごいところ。
ビリー・ワイルダーの映画は現代劇のコメディの中でもファンタジーの要素を強く感じさせるところがあって、本作に出てくるバーのマスターのムスターシュは主人公の願いをかなえてくれる魔法使いのポジションを現代劇に置き換えたというような感じである。
コメディ映画としては上映時間がやや長い気もするが畳みかけるように二転三転する展開が面白く、笑えるという点で見れば『アパートの鍵貸します』よりも優れているところがあると思う。
