Nana

心の指紋のNanaのレビュー・感想・評価

心の指紋(1996年製作の映画)
3.6
マイケル・チミノが亡くなってたこと知らなかったのですが、彼の最後の長編映画。
殺人犯として服役中の少年が、担当医を拉致してナバホ族の聖なる泉を目指すロードムービー。
邦題の意味が分からないけど、オリジナルのタイトルはネイティブ・アメリカンの生命の象徴?らしい。

映画あるあるだけど、最初仲悪かった2人がだんだん意気投合するとこが面白かった。
ウディ・ハレルソンて、エリート医師より後半のハチャメチャおじさんの方が似合うし、少年役のジョンセダはプエルトリコ系の刑事?のイメージが強く、ネイティブ・アメリカンに見えない。
けど!2人の演技力と監督の演出力でどんどん引き込まれて、最後は応援してしまいました。

医師は幼い頃に兄を病気で亡くした経験があって、それがトラウマになっている設定だから、ずっと病院の機械の音がしていて辛かった。
しかし最後は妙なラテン系な音楽で陽気にして、音の使い方がたまに不思議でした。
音楽はモーリス・ジャール。

ディア・ハンターを思い出すようなアメリカの美しい自然が美しかった。

以前、医学の資料で見たのですが、がんの治療は日本では西洋医学を使う人がほとんどだけど、アメリカでは保険制度が違うため、ごく一部の富裕層しか治療が受けられず、ガンになると多数の人がマジナイみたいなもので何とかしようとするって話を思い出しました。

しかし機械で無理やり苦しむ病人の寿命を伸ばしたり、化学療法で苦しい思いをさせたりするのだけが、治療ではないと思う。
この主人公は、これからどんな医師になるんだろう。
がんサバイバーの私には、いろいろ感じるところがあった作品でした。
Nana

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