抵抗（レジスタンス）-死刑囚の手記より-の稲葉光春のレビュー・感想・評価

教科書的というより、教科書になるべき演出というべきだろう。本作の演出は、脚本、フレーム内のオブジェクト、カット割、演技など、全てにおいて必要最低限で構成されている。構成要素の少なさは、高度なバランス感覚を要する。つまり、センスの良し悪しがはっきりしてしまうわけだが、そこでセンスの良さを見せつけるのが、ブレッソンが評価される所以だろう。演出的な高度さは、興味がある人にしか分からないとは思う