nagarebosi

ジャッキー・ブラウンのnagarebosiのレビュー・感想・評価

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)
4.5
巧い!

映画館で観た時は正直「う~ん…」でした。その後原作を読んでレナードの面白さに気付き、LDで改めて鑑賞し直したら「これは大人のラブストーリーだ」と合点がいったのです。
監督が初の原作有りで脚色した本作。原作者自体がパルプ物、三文小説の犯罪物を得意とするだけに相性が良かったのでしょう。

パム・グリアさんがクール!したたかだけど時折見せる弱さもまた良いですね。
デ・ニーロさんの " 何か使えない " 感がよく表現されて上手いなあ。
サミュエル・L・ジャクソンさんの実は小者なキャラクターをベテラン達相手に堂々と渡りあってスゴい!芸歴もデ・ニーロさん達に比べたらまだ短いのにあの迫力と威圧感。やはり役者ってスゴいなあと感心。
でも、やっぱりロバート・フォースターさんの渋みが一番でしたね。あの枯れた感じは実人生と重なっているようで、私も「ああなりたいもんだ」としみじみ…。
ラストの別れも渋く、情感があり好きです。

そのラストですがフォーカスが合わないので撮り直したらしいのですが編集の際「こっちのほうが良い」と監督が思いなおし、あのカットを採用したそうです。
撮影、編集が特徴的で面白い感覚。音楽も変わらずセンスあります。特にオープニングのタイミングは抜群!

若い頃はピンとこなかったけど、歳を重ねるごとに「良い味わい」だと感じさせてくれる作品。
これを若い頃のタランティーノが撮ったとは!