ツクヨミ

ジャッキー・ブラウンのツクヨミのレビュー・感想・評価

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)
1.6
フィルムノワールを下敷きにしたアメリカB級犯罪映画っぽさもあるが結局はタランティーノ的"はなればなれに"に見えた。
クエンティン・タランティーノ監督作品。"パルプフィクション"に続くタランティーノの3作目ということだったが、特に考えないで鑑賞してみた。
まずオープニング、横移動ドリーっぽく目眩くカラフルな横滑りを主人公と一緒に滑っていく気持ちよさ。そしてタランティーノといえばの軽快なナンバーとのコントラストが気持ちいい。
まあ本作は多視点から見た現金輸送もので、やはり同じようなキューブリックの"現金に体を張れ"や近年スコセッシの"ウルフオブウォールストリート"の後半みたいな犯罪映画な雰囲気がビンビンだ。そこにタランティーノ的なダラダラ会話シークエンスが挟まるいつもの感じがめちゃくちゃクール。
だがいつものタランティーノ的なバイオレンス要素はかなーり控えめで、キャラクター描写やちょっとした大人の恋愛まで見えてくるタランティーノ作品の中ではわりかし異色な雰囲気すら感じた。あとはやっぱりタランティーノが大好きなゴダール"はなればなれに"みたいなプロットが強く、結局は現金を強奪する展開やグダッた計画実行.終いにはゆるい恋愛に帰結する感じなんかまるパクリなのはニッコり。でも個人的に"はなればなれに"と今作のプロットが正直あまり好きではない、タランティーノが一本使ってゴダールにオマージュを捧げたと考えれば…でもうーんな感じな評価。
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