浅野公喜

幻しの合唱の浅野公喜のレビュー・感想・評価

幻しの合唱(1935年製作の映画)
3.0
ボックス「恐怖と幻想の世界」収録。未完だったディケンズの作品が原作で、今現在日本では単品でソフト化はされていないようで貴重かも。

聖職者であるのにもかかわらずアヘン中毒、という男の存在がまず強烈ですが作品としては全体的に地味で、恐怖演出も控えめですがどこかコミカルな要素も有り、噂話がどんどん形を変えて事実と大きく異なっていく所は伝言ゲーム風で面白いです。恐怖映画というより、甥の婚約者を好きになり、その狂おしい程の想いが受け入れられなかった男の悲劇を描いたメロドラマと捉えればそれなりでしょうか。
浅野公喜

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