ENDO

億万長者のENDOのレビュー・感想・評価

億万長者(1954年製作の映画)
4.0
あまりに投げやりなラストに困惑!ランニング+パンイチで駆け去る岡田英次!税務署員として歯車に組み込まれ過ぎている主人公の悲哀。政治が硬直化している現在と貧しき日本の有り様は相似関係に。色気を封印した過激な久我美子が『太陽を作った女』として不屈の意思で作り上げる工程に感動。左幸子はいつものように才気走るも息切れに。五十鈴・嘉カップルが同じ画面に!五十鈴の食えない芸者としての振る舞いに脱帽。やはり高度成長期に人間関係の懐疑をこれでもかと皮肉に描き公僕は逸脱できないという事実に窒息死しそうになる点は日本社会の根本に通底。どの家族も10-20兄弟という異常さ。「女は子供を産む機械」という台詞すら出てくる。何も変わってない!
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