かるまるこ

ランボー/怒りの脱出のかるまるこのレビュー・感想・評価

ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)
2.9
ランボーのイメージを確立した作品。
(上半身裸、鉢巻、重火器使用等…)
と同時に、ランボーは大味でつまらないという印象を植え付けた作品でもある。
が、久しぶりに見直してみたら、『3』ほど酷くなかった。(『3』は酷い)

ベトナム捕虜奪還モノで『1』の延長線上にある物語だし、スラッシャー映画の亜種であることもちゃんと忘れてない。

問題はランボーが怒りモードの「殺人鬼」になる為に必要な「虐げられてきた者の怨念」をどのように憑依させるかなのだが、今回は米兵捕虜の怨念。前作同様ランボー自ら同じ立場になることでそれが憑依する仕組みになっている。

ランボーシリーズは基本的に復讐譚で因果応報ブーメランしっぺ返し映画なので敵味方関係なく自分のした事は必ず自分に(ランボー自身にさえ)返ってくる。

だからこそ作劇上、どちらが先に血を流したか、より多く血を流したかがキモになるのだが、今作はその前フリが中途半端で、心底敵方が酷いと思わせるまでには至っておらず、いざランボーがラスボスに矛先を向けた際のカタルシスが目減りしてしまっているのが残念。

あと、雰囲気がやたらと香港のB級映画っぽいのも、大味さに拍車をかけ、評価を下げる原因になってる。
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