あなぐらむ

お嬢さん乾杯!のあなぐらむのレビュー・感想・評価

お嬢さん乾杯!(1949年製作の映画)
3.9
戦後の没落財閥のお嬢さん(原節子)と、成金自動車工場主(佐野周二)の逆格差婚活? を軽妙なタッチで描く。

とは言え、そこは新藤兼人脚本、47年「安城家の舞踏会」同様戦後の身分制の移ろいに翻弄される人々がテーマ。
佐野周二の見事なコメディアンぶりが楽しめる一本。

原節子を撮る木下恵介は吉村公三郎や小津のような、倒錯を感じさせる部分をあえて排しており、ちょっと魅力薄。
転じて佐野周二の見事な朴訥な気のいい男(成金と言われてるが、全然そんな感じしないし)、弟分の佐田啓二も含めて魅力的。カット尻に何かを入れてくる演出は楽しい。