原田美枝子目当てで鑑賞。
死体をバラバラにする主婦達と言うショッキングな宣伝文句が売りの作品だが、ミステリー、サスペンスと言うよりは、コメディ、そして主婦達の内面を強く描いた作品。
お弁当の工場でパートとして勤務する香取雅子。
そして、リーダーを務め、師匠と呼ばれる吾妻ヨシエ、いつも派手な格好をしている城之内邦子、ひとりでは何も出来ない妊婦の山本弥生。
とある日、弥生から呼び出された雅子は、驚きを通り越して呆れかえる。
なんとDVを受けた仕返しに、弥生は夫を絞殺してしまったのである。
結果、なすりつけられた雅子だが、彼女は師匠と共に弥生の夫の死体をバラバラにする事になる…
これはどうなって行くんだろうか?、とハラハラで楽しめるのかと思いきや、肝心のバラバラの場面が笑えて驚いた。
原田美枝子と倍賞美津子ふたりの芝居が水着のくだりあたりから、とにかく笑ってしまうのである。
そして、気付いた時には、数々の葛藤と闘っていた主婦達に、どうのように接するべきなのか、何をしてあげるのが良いのか、と考えている自分がいた。
桐野夏生が原作なだけあって、芯のある作品だった。